組織やチームの営業力アップさせる7つの方法
・優秀な営業マンに頼った売上構成になっている。
・営業力アップの体系的なマニュアルが存在しない。
・個々の営業スキル、営業手法が共有できていない。
この記事では上記のような、組織やチームでの営業力アップに悩む方に向けての記事です。
どこの会社にも売上の中心を担うスーパー営業マンのような存在が1人や2人いるのではないでしょうか。その営業がいれば、他の営業がどれだけ成績が悪くても、組織全体としてある程度の数字は確保できる。しかし、もしそのスーパー営業マンが突然いなくなってしまったらどうでしょう。
会社として長く繁栄を築くのであれば、1人のスーパー営業マンより、誰が抜けてもブレルことのない、強い組織を作る必要があります。
組織やチームで営業力アップが難しい理由
営業の組織やチームにおいて、売上の8割を営業マン全体の2割が担っており、残りの8割の営業マンが入れ代わり立ち代わりで売上の残り2割を稼いでいるとしばしば言われます。
優秀な営業マンの営業手法を紐解き、営業ノウハウや営業手法を体系的に学んでいけば、もっと組織として、チームとして営業力をアップさせることができるはずなのに、なぜ同じ組織内、チーム内でこのような差が生まれるのでしょうか。
ここには、インセンティブ制の営業会社ならではのその問題点がそれを邪魔しています。
営業は個人プレーの勝負
まず原因の一つとして、営業マン各個人が各々のノウハウや営業手法で、個人事業主のように行動をしているということです。「数字を出せば何も言われない。」という考え方の組織が今でも多いと言えます。
数字をとることが営業の一番の仕事。組織の会議やチームとしての業務、新人の育成などは後回しということは往々にあり、優秀営業マン程その自由さを黙認されているケースが多いです。
お金や地位など結果と報酬が直結する
インセンティブ制を採用する営業会社では個人の成績が給与やボーナスに直結します。また、給与だけでなく、役職やポジションにも個人の成績が大きく関わってきます。
働く目的が「お金を稼ぐこと」である以上、お金にならない組織やチーム全体の会議などは優秀営業マン程、ただ時間をとられるだけの「無駄な時間」という感覚になってしまいがちです。
優秀な営業マンほど、時間に対する意識は非常に高く、少しの空き時間でも有効に使っているからです。
隣の仲間がライバルである場合も
営業会社ではよく見られるのが、個人の成績やランキングをいつでも見えるように掲示することです。
成績を見える化することで営業活動へのモチベーションを高める効果があります。また、自身の立ち位置を把握することによって、次に目標におくべき順位や相手を明確化させ、競争意識を芽生えさせます。
このような取組みによって、同じチームや組織内で、仲間でありライバルという関係が成り立ちます。競争意識が芽生える一方、競っているライバルに自身の営業手法を教えることに疑問が生まれ、ノウハウの共有などが上手くいかないケースが発生してしまいます。
営業成績低迷者の勘違い
企業として第一に考えるべきは「売上」。売上になる可能性の高い優良顧客の名簿を渡すなら、成績が優秀な営業マンに渡す方が確実にお金に変えてくれる。これは経営者からの目線としては当然の発想です。
しかしこの、「優良顧客の名簿が平等に配られない。」ということに対し、成績が振るわない営業が思うことは、「あの優秀営業マンは上からの優良顧客の名簿で売上が上がっているのだ。本当の実力ではない。」です。
この感情が芽生えてしまうと、いくらチームで優秀な営業マンがよいアドバイスをしてくれても、「貴方とは条件が違う。その手法は優良顧客にのみ通用する手法なんだ。」と考え、せっかくのアドバイスが浸透していかなくなってしまいます。
こうなってしまうと、「優良顧客の名簿をもらえるようになるまでには、必死の努力があった。」という重要な点に気づくことは難しくなるでしょう。
組織やチームで営業力アップする取組み
上記のような問題を踏まえて組織やチームの営業力を上げていくにはどのような取り組みをしていくべきなのか。
まずは組織全体で「我々はチームとして動いている」という共通認識と、組織での取組みを個人の活動よりも優先しないといけないというルール、そして組織内でのチームを意識する空気感をしっかりと出していく必要があります。
必ず参加の営業会議の開催
絶対参加が条件の会議を月に1度設けるとよいでしょう。どんな案件よりも優先をするという重要度の高い会議ということを浸透させる必要があります。そのためには、なるべく役職の高い上長に参加をしてもらうことも1つの方法です。
また、1度でも営業の理由で欠席を許してしまうと、次回も案件次第では出席を回避できるという期待を持たせてしまうので、大切なアポイントであっても欠席を許すのではなく、アポイントの方を調整するように働きかけましょう。
情報と営業手法の共有
時間ばかりを縛るのではデメリットしかなくなってしまうので、ここからは組織で動くメリットを固めていきましょう。
まずは情報と営業手法の共有です。情報に関しては、一番は即効性のある時事的な情報の共有からするべきです。今、世の中でどのようなことが話題となっていて、顧客はどのようなことに関心をもち、どのような話題に耳を傾けてくれるかを共有しておくことで営業社員として即日使える話題をチェックすることができます。
また、営業手法に関しても一つのファイルなどにまとめておくと良いでしょう。契約できた際にアプローチの方法や上手くいったポイントなどを簡単にまとめるようルール化することで、成功事例を共有することができ、多くの営業社員が前例を参考として使うことができます。
トークスクリプトの共有
営業トークに関してもトークスクリプトとしてまとめておくのがオススメです。
トークスクリプトに関しては「ケース別」でまとめておくと使いやすいです。営業活動をおこなう中で、様々な質問やお断りにすぐさま切り返しトークができるよう、トークスクリプトを使ってシミュレーションをしておくことで、本番での結果が大きく変わってきます。
結果を出している営業社員のトーク事例を参考に、ケースに合せたトークの基本マニュアルの作成をしておきましょう。このトーク集は営業職の新入社員への研修にも活用することもできるので、組織的な営業力向上に非常に役に立つでしょう。
活動履歴や営業のプロセスを見える化する
営業支援のソフトなどを上手く活用し、営業活動の履歴を残していきましょう。
成績の良い営業マンがどのように日々営業活動をしているのか、どのように見込みの顧客をみつけ、どれだけ営業をかけているのか。誰でも優秀営業マンの営業プロセスをチェックできる環境を作っておきましょう。
各顧客に対して時系列で5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)で情報を残すと良いでしょう。1人の顧客に対してどのようにアプローチをかけたのか。優秀な営業マンの営業プロセスからは多くの学びがあります。
チームとしての報酬制度確立
個人の成績だけでなく、チームの成績にも評価を与え、評価次第で報酬を貰えるような仕組みを作りましょう。組織として営業ノウハウなどの情報を蓄積していくためには、どうしても普段の営業活動+αの業務負担が発生してしまいます。
そのような業務に「面倒臭い」などのネガティブな感情で取り組むのではなく、「組織やチームに貢献することはメリットがある」というポジティブな気持ちで業務に取り組んでもらいましょう。そうすることで集まる情報の質や量が上がり、結果として売上の拡大に繋がっていきます。
余裕があれば成績低迷者に協力する
成績優秀者が低迷者に協力をする雰囲気づくりや風土を作っていくことは非常に重要なことです。例えば、自身の営業に同行をさせたり、テレアポの際に隣で会話や雰囲気、相槌の仕方などを聞かせてあげるなどがあります。
また、営業同行は商談の重要度に応じて難しいケースも発生してきますので、社内での営業トークの練習、顧客に対するアプローチへのアドバイスを成績優秀者が行うだけでも非常に効果があります。
チームリーダー・マネージャーや成約率の高い人が同行する
組織全体の成績の底上げとして効果的な方法が、チームリーダー・マネージャーや成約率の高い成績優秀者による低迷者への営業同行です。隣に成績優秀者がいる安心感もあり、商談での効果は絶大です。
顧客側も頼りになる営業マンが隣にいるだけで安心感を覚え、普段隠している本音などを話してくれるケースも多々あります。結果として売上拡大や契約に繋がる可能性は非常に高くなります。
まとめ
終身雇用の制度が崩壊し、今や誰もが高い給料、より良いポジションを求め転職をすることが当たり前の時代になりました。ヒーローのように大車輪の活躍をするスーパー営業マンもいついなくなるか分かりません。
1人のスーパー営業マンより、1つの強い組織を作る。強い組織が出来上がれば、人の入れ替わりがどれだけあっても、怖いことはありません。組織内にあるノウハウ、営業手法を次の人物が学び、そして良い営業マンに成長をしていく。
この仕組みがしっかりとできていけば、長く繁栄し、よい結果を残し続ける組織ができあがります。組織やチームの強化は一筋縄ではいきませんが、これからはチームの時代です。強い組織作りを目指してみましょう。